Member
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M.Nさん
商品開発
2018年入社。
鳴尾工場での経験を経て、昆布事業部でふじっ子煮MIRAIシリーズの商品開発に携わる。 -
M.Tさん
製造
2000年入社。
佃煮グループの製造を担当し、生昆布プロジェクトでは製造面でのサポートを行う。 -
K.Yさん
原料調達
1995年入社。
総務・営業事務を経て、資材グループで生昆布の調達に尽力。
Introduction
フジッコでは、昆布業界の未来を守るために、生産者の負担を軽減しつつ、
昆布の新しい可能性を追求する「生昆布プロジェクト」に挑んでいます。
今回は、生昆布を使った「ふじっ子煮MIRAI」シリーズの商品化を支えた3名のメンバーが、その裏側を語ります。
Talk Theme 01
生昆布プロジェクトの
スタート

K.Y:生産者が抱える最大の問題は、昆布を乾燥させる重労働です。家族総出で行うことがあり、天候にも左右されます。この負担を減らすために、乾燥せずに水揚げ後すぐに冷凍保管するという形を試行しています。これにより、生産者の負担を大幅に軽減できると考えています。また、漁師さんが水揚げに専念できるように、加工は企業が担当するという分業制の導入を目指しました。



Talk Theme 02
生昆布がもたらす新しい食の形

M.N:生昆布を使った商品開発は、これまでにない挑戦でした。通常、昆布は乾燥させて使いますが、生昆布はまったく異なる食感を持っています。そのため、フレーバリングや味付けに工夫が必要でした。ぷりっとした弾力のある食感を活かし、梅味やわさび味といった新しいフレーバーを見つけるまでに1~2年かかりました。

M.T:製造現場では、生昆布の下ごしらえの工程(解凍・水洗い・切断)は既存の自動化されたラインでは対応できず、新たなラインを構築する必要がありました。稼働開始時は作業者にとって負担の大きい作業があるなど、作業面で課題が多くありましたが、生産者の負担軽減を目指し製造チームは挑戦しました。稼働中に発生していたロスについては、作業者と協力してライン上の改善を重ね、ロスを8割減少させることに成功しました。

K.Y:原料の面では、生昆布を扱うための加工方法や冷凍保管、輸送の課題を解決していくことが重要でした。現地の業者さんとも協力しながら、どのようにして生の昆布を扱うか、機械の選定から運搬方法までを工夫し進めています。

Talk Theme 03
「ふじっ子煮MIRAI」シリーズの未来

M.N:「ふじっ子煮MIRAI」シリーズでは、既存の佃煮ユーザーに加え、新しいもの好きの消費者にも手に取ってもらいたいと考えています。フジッコの生昆布としての取り組みをもっと知ってもらえる様な商品をこれからも開発していきます。

M.T:現在の製造ラインには改善の余地があり、作業方法の見直しや新技術の導入を検討し、効率化を進めて生産性向上に繋げたいですね。無駄を削減して、コスト削減と品質向上を追求していきます。

K.Y:昆布が減産している中で、質の高い昆布を確保するために産地との連携を強化し、生産者との協力を続けています。新しい商品開発に向けて、さらに挑戦を続けていきたいですね。


M.N:昆布の生産量は過去30年で約40%も減少しています。主な原因は地球温暖化に伴う海水温上昇と生産者の高齢化です。特に、昆布の乾燥作業が生産者にとって大きな負担になっており、これが生産量の減少につながっています。この負担を減らすために、乾燥せずに生のまま使える「生昆布」という新しい可能性に挑戦しました。